秋の夜長は、甘口の「貴腐ワイン」。世界三大貴腐ワインと、住田屋の甘口3本

秋の夜長は、甘口の「貴腐ワイン」。世界三大貴腐ワインと、住田屋の甘口3本

WINE|甘口・デザートワイン

秋の夜長は、甘口の「貴腐ワイン」。世界三大貴腐ワインと、ワインバイヤーおすすめの甘口3本

「甘口ワインって、いつ飲めばいいのかよくわからなくて」。店頭でも、そんな声をよくいただきます。でも貴腐ワインは、ただ甘いだけのお酒ではないんです。貴腐菌がブドウの水分を抜いて、糖と香りをぎゅっと凝縮させた——蜂蜜のような甘みと、それを支える上品な酸が寄り添う、大人のデザートワイン。よく冷やして、少しずつ。秋の夜に、ぜひ一度どうぞ。

淡い黄金 濃い黄金 琥珀

この記事のポイント

  • 貴腐ワインは、貴腐菌がブドウの水分を抜いて糖と香りを凝縮させた甘口ワイン
  • 銘醸地は「ソーテルヌ・トカイ・TBA」の世界三大貴腐ワイン
  • 6〜10℃によく冷やして、食後に少しずつ。塩気やコクのある一皿と好相性

秋が深まってくると、しっかり冷やした白やスパークリングもいいけれど、食後にちょっとだけ甘いものが恋しくなる——そんな夜がありますよね。私がこの時期にそっとおすすめしたいのが、甘口の「貴腐(きふ)ワイン」です。名前は聞いたことがあっても、どうやってできて、どう飲めばいいのかは、意外と知られていない気がします。今日はその魅力を、なるべくやさしくお話しさせてください。

01貴腐ワインって、どうやってできるの?


画像:Walliswine / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

貴腐ワインの主役は、ブドウの皮に付く「貴腐菌(ボトリティス・シネレア)」という、灰色をしたカビの一種です。カビと聞くと少し驚かれるかもしれませんが、朝は霧が立ちこめて昼はよく乾く——そんな限られた気候のもとでは、この菌がブドウの水分だけを少しずつ抜いていってくれるんです。実は干しブドウのように縮んで、糖や香りの成分がぎゅっと凝縮されます。そうしてできた粒を、一つひとつ手で摘んで、ほんのわずかしか搾れない。手間も収穫量も、ふつうの白ワインとは比べものになりません。「奇跡のカビ」なんて呼ばれるのも、私はうなずけるなあと思います。

1

貴腐菌が付く

霧と乾燥がくり返される畑で、熟したブドウの皮に貴腐菌が付着。

2

水分が抜ける

菌が水分だけを抜き、糖と香りが凝縮。実は干しブドウ状に。

3

一粒ずつ収穫

状態の良い粒だけを手摘み。少量しか搾れない、貴重な甘口に。

02知っておきたい「世界三大貴腐ワイン」

貴腐ワインの産地として名高いのが、フランスの「ソーテルヌ」、ハンガリーの「トカイ」、そしてドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ(TBA)」。この三つは、世界三大貴腐ワインと呼ばれています。同じ甘口でも、産地とブドウが変われば、表情はずいぶん違うんですよね。まずはこの三つを頭の片隅に置いておくと、ワイン選びがぐっと楽しくなりますよ。

産地 主なブドウ 味わいの傾向
ソーテルヌ フランス(ボルドー) セミヨン ほか 厚みのある濃密な甘み。貴腐ワインの代名詞。
トカイ ハンガリー フルミント ほか 甘みと酸のバランスが良く、「王のワイン」とも。
TBA ドイツ リースリング ほか 凛とした酸を軸に、繊細で上品な甘口。
私のおすすめの飲みごろ:よく冷やして(6〜10℃くらい)、小さめのグラスに少しずつ。食後に、そのままデザート代わりに味わうのが私は好きです。青カビのチーズやフォアグラ、ナッツ、フルーツタルトなど、塩気やコクのあるものと合わせると、甘みがいっそう引き立ちますよ。
覚えておきたいこと「甘いお酒」ではなく、「甘みと酸のバランスを味わうお酒」。それが貴腐ワインです。

03秋の夜長におすすめ、住田屋の甘口3本

※香り・味わい・余韻は住田屋スタッフの目安です。

シャトー・ラ・ヴェルドージ 2018
貴腐ワイン|仏・モンバジャック

シャトー・ラ・ヴェルドージ 2018

Château La Verdaugie 2018

飲みごろ 6〜10℃

ソーテルヌと同じフランス南西部、モンバジャックの貴腐ワインです。ジャムのような果実の香りに、ハチミツのニュアンスがふわり。お手頃な価格なので、「貴腐ワインは初めて」という方の一本目に、私はよくおすすめしています。

香りあんず、ハチミツ、砂糖漬けの果実
味わいとろりと甘く、後半に酸がすっと寄り添う
余韻やさしく穏やか。飲み疲れしない甘さ

相性のよい一皿:ブルーチーズ/アップルパイ/バニラアイス

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パトリシウス トカイ フルミント レイトハーベスト カティンカ 2021
極甘口|ハンガリー・トカイ

パトリシウス トカイ フルミント レイトハーベスト カティンカ 2021(375ml)

Patricius Tokaji Furmint Late Harvest Katinka 2021

飲みごろ 6〜10℃

世界三大貴腐ワインの銘醸地・トカイから。こちらは遅摘み(レイトハーベスト)の極甘口で、フルミントという品種ならではの、いきいきとした酸と蜜のような甘みが同居しています。375mlのハーフボトルなので、食後に少しずつ楽しめるのもうれしいところです。

香り白桃、マーマレード、はちみつ
味わい極甘口ながら、いきいきとした酸で軽やか
余韻長く、蜜の甘さがきれいに引いていく

相性のよい一皿:フォアグラ/柑橘のタルト/白カビチーズ

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ボンヌゾー レ・カーヴ・ド・ラ・ロワール 2010
貴腐ワイン|仏・ロワール

ボンヌゾー レ・カーヴ・ド・ラ・ロワール 2010

Bonnezeaux, Les Caves de la Loire 2010

飲みごろ 6〜10℃

シュナン・ブランから生まれる、ロワールの貴腐ワイン。「ソーテルヌに比肩する」とも言われる、優雅な甘口です。2010年ヴィンテージならではの、熟成を重ねた深みも味わっていただけます。特別な夜に、ゆっくり開けたい一本です。

香りかりんの蜜煮、ドライアプリコット、熟成のニュアンス
味わい濃密な甘みと、シュナン・ブランらしい張りのある酸
余韻長く優雅。蜂蜜と紅茶を思わせる余韻

相性のよい一皿:熟成チーズ/ナッツ・ドライフルーツ/フォアグラ

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※価格・在庫は各商品ページでご確認ください。

04よくある質問

貴腐ワインはどうやって飲むのがおすすめ?
よく冷やして(6〜10℃が目安)、小さめのグラスに少量ずつ楽しむのがおすすめです。食後のデザート代わりに、そのまま味わうのが定番の楽しみ方です。
どんな料理・おつまみと合いますか?
青カビ系のチーズやフォアグラ、ナッツ、フルーツタルトなどと好相性です。甘みだけでなく、塩気やコクのあるものと合わせると、味に奥行きが出ます。
開けたあとはどれくらい持ちますか?
糖度が高いため比較的日持ちしますが、コルクをしっかり閉めて冷蔵庫で保存し、風味の良いうちに数日〜1週間ほどで飲み切るのがおすすめです。



甘口ワインは「特別な日のためのもの」と、身構えなくても大丈夫です。ハーフボトルや手頃な一本から、秋の夜にほんの少し——そんな楽しみ方が、私はいちばん好きなんです。気になる一本があれば、いつでもお気軽に声をかけてくださいね。(文・廣中ようこ)


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