淡いピンク色のロゼワインとグラスの影(イメージ写真)

ロゼワインは「赤と白を混ぜた」お酒じゃないんです。あの色を生む、果皮との“ひととき”のはなし

WINE|ワインの基本

ロゼワインは「赤と白を混ぜた」お酒じゃないんです。あの色を生む、果皮との“ひととき”のはなし

「ロゼって、赤ワインと白ワインを混ぜたものでしょ?」。店頭でも、ときどきそう聞かれます。実はそうではないんです。あの愛らしいピンク色は、黒ぶどうの“果皮”に果汁が触れる時間から生まれます。今日は、ロゼの色ができるしくみと、色の濃淡で味わいを読むコツを、なるべくやさしくお話しさせてください。

淡い桃色から深いピンクまで、色合いの異なるロゼワインを少量ずつ注いだ三つのグラス(AI生成イメージ)
果皮との触れ合いが生む、ロゼのさまざまな色合い。(AI生成イメージ)

この記事のポイント

  • ロゼの色は、黒ぶどうの果皮に果汁が触れる「時間」で決まる(赤と白を混ぜるのではありません)
  • 主な造り方は「直接圧搾法(淡い色になりやすい)」と「セニエ法(濃い色になりやすい)」の2つ
  • 例外はシャンパーニュ。赤ワインを少量ブレンドしてロゼを造ることが公式に認められています

ロゼワインは、ちょっと不思議な存在かもしれません。赤でも白でもない、あいだの色。だからこそ「白と赤を混ぜたのかな」と思われがちなのですが、多くの産地ではそれは認められていないんです。じゃあ、あのピンクはどこから来るのか——。今日はそのしくみと、色で選ぶちょっとしたコツまで、順番にお話ししますね。

01ロゼは「赤と白を混ぜたお酒」ではありません

意外に思われるかもしれませんが、黒ぶどう(赤ワイン用のぶどう)でも、搾りたての果汁そのものはほとんど無色に近いんです。ワインの色は、果皮(皮)にふくまれる色素からうつってきます。赤ワインは、果汁を果皮と一緒に長く漬け込む(醸す)ことで、あの濃い赤色になります。ロゼは、その途中——果皮の色が“少しだけ”うつったところで、果皮と果汁を分けてあげる。だから、赤と白のあいだのやさしいピンクになるんです。

ここが大事なところなのですが、EU(フランスなど)では原則として、赤ワインと白ワインを混ぜてロゼを造ることは認められていません。ロゼの色は「混ぜた結果」ではなく、「黒ぶどうの果皮に、果汁をどれだけの時間ふれさせたか」という、造り手のさじ加減から生まれているんですね。

ひとつだけ、大きな例外があります。シャンパーニュ地方だけは、白ワインに赤ワインを少量ブレンドしてロゼを造る「アッサンブラージュ法」が公式に認められています。華やかなロゼ・シャンパーニュが生まれるのは、この特別なルールのおかげなんです。

02淡い色と濃い色、何が違う?——直接圧搾法とセニエ法

ロゼの造り方は、大きく二つ。ざっくり言うと「淡いロゼになりやすい造り方」と「濃いロゼになりやすい造り方」です。色の濃淡は、果皮に果汁がふれた時間の長さで決まります。下の帯が、その“ひととき”のイメージです。

淡いサーモンピンク 接触:短い(数時間) 直接圧搾法 軽やか・すっきり辛口 濃いチェリーピンク 接触:長い(十数時間〜) セニエ法 果実味ゆたか・飲みごたえ 果皮と果汁が触れる時間 →(長いほど色は濃くなる)

直接圧搾法(プレス)

黒ぶどうを収穫後すぐ、やさしく搾って果汁を取り出す方法。果皮の色がうつる前に分けるので、淡いサーモンピンクに。プロヴァンス地方に代表される、繊細でドライなロゼに多いスタイルです。

VS

セニエ法(セニエ=血抜き)

赤ワインを仕込む途中で、色づいてきた果汁の一部を抜き取る方法。果皮に長くふれているぶん色は濃く、果実味もふくよかに。軽い赤ワインに近い、飲みごたえのあるロゼになります。

どちらが上、ということはありません。淡いロゼは前菜やサラダにすっと寄り添い、濃いロゼは肉料理にも負けない——料理や気分で選べるのが、ロゼの楽しいところなんです。お店でロゼを手に取るとき、まず「色の濃さ」を見てみてください。それだけで、だいたいの味わいの方向が見えてきますよ。

覚えておきたいこと色の濃い・淡いは、造り方とスタイルの違い。“品質”の違いではないんです。

03色でひろがる、住田屋のロゼ3本

※香り・味わい・余韻は住田屋スタッフの目安です。

ドメーヌ・ポール・マス ル・ロゼ
ロゼワイン|仏・ラングドック

ドメーヌ・ポール・マス ル・ロゼ

Domaine Paul Mas, Le Rosé

飲みごろ 8〜10℃

南仏ラングドックの実力派が手がける、淡いサーモンピンクのロゼ。みずみずしい果実と花の香りが華やかで、味わいはすっきり辛口。ロゼの“はじめの一本”に、私はよくおすすめしています。直接圧搾スタイルの、軽やかなおいしさです。

香りいちご、ざくろ、白い花
味わい軽やかでドライ。果実の甘い香りとキレのよさ
余韻すっと短め。食事のじゃまをしない

相性のよい一皿:生ハムサラダ/カプレーゼ/白身魚のカルパッチョ

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タヴェル ロゼ ギガル
ロゼワイン|仏・南ローヌ タヴェル

タヴェル ロゼ ギガル

Tavel Rosé, E. Guigal

飲みごろ 10〜12℃

南ローヌの「タヴェル」は、実はロゼしか名乗れない、めずらしい“ロゼ専門”の産地。名門ギガルがセニエ法で仕込む、濃いチェリーピンクの一本です。しっかりした果実味と飲みごたえがあって、「ロゼって軽いお酒でしょ」というイメージがきっと変わりますよ。

香り赤スグリ、ラズベリー、ハーブ
味わい果実味と骨格がしっかり。辛口で飲みごたえ
余韻長め。軽い赤ワインに近い満足感

相性のよい一皿:グリルチキン/ラタトゥイユ/豚肉のソテー

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ル・ロゼ・ド・シャトー・ピュイグロー ボルドー 2011
熟成ロゼ|仏・ボルドー

ル・ロゼ・ド・シャトー・ピュイグロー ボルドー 2011

Le Rosé de Château Puygueraud 2011

飲みごろ 10〜12℃

漫画『神の雫』でも知られるティエンポン家が手がける、蔵出しの熟成ロゼ。ロゼは“夏だけ・若いうちだけ”というイメージをやさしくくつがえす、大人の一本です。メルロー由来のまろやかさと熟成の奥行きは、秋の食卓にもよく似合います。

香り熟した赤い果実、ドライフラワー、ほのかな樽香
味わいまろやかで奥行きのある辛口
余韻穏やかで長い。熟成ならではの落ち着き

相性のよい一皿:きのこのソテー/鴨のロースト/熟成チーズ

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※価格・在庫は各商品ページでご確認ください。

04よくある質問

ロゼワインは、赤ワインと白ワインを混ぜて造るのですか?
いいえ。多くの産地では、赤と白を混ぜてロゼを造ることは認められていません。ロゼの色は、黒ぶどうの果皮に果汁がふれる時間から生まれます。ただしシャンパーニュだけは例外で、赤ワインを少量ブレンドする造り方が公式に認められています。
淡いロゼと濃いロゼでは、味も違うのですか?
傾向として、淡い色は果皮にふれる時間が短く、軽やかですっきりした辛口が多め。濃い色は果皮に長くふれているぶん、果実味がふくよかで飲みごたえが出やすい、というのが目安です(住田屋スタッフの目安)。色の濃さは品質ではなく、造り方やスタイルの違いです。
ロゼは何℃で飲むのがおすすめ?
よく冷やして8〜12℃くらいが目安です。淡い辛口はキリッと冷たく、濃いめ・熟成タイプは少し温度が上がってからのほうが、香りがふくらんで楽しめます。

ロゼは、むずかしく考えなくて大丈夫。まずは「淡いか、濃いか」を見て、今日の気分や料理に合わせて選んでみてください。色のひみつを知ると、次の一本えらびがきっと楽しくなります。気になるロゼがあれば、いつでもお気軽に声をかけてくださいね。(文・廣中ようこ)


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